【製品名】 Studio One 2

【メーカー】  PreSonus

【発売年】     2012年

【メーカーHP】 http://studioone.presonus.com/



Studio Oneが販売開始されてから約2年、ver1.5を経てver.2.5になり様々なアップグレードが行われました。

もともと完成度の高かったDAWが更に進化し、競合DAWよりも低価格に抑えてある。

これだけでもすでに買いのポイントなのですが、あくまで製品レビューなのでもっと掘り下げてみようと思います。

※現行のバージョンは2.5ですが、パッケージとしては2のままなので表記上[Studio One 2]とさせていただきます。



title_studioone2





Studio one2(以下S1)はCubaseやNuendoを手がけたスタッフが作り上げたDAWということもあり、他社のDAWから乗り換えた際も違和感無く使えるユーザーインターフェースになっています。

ブラウザが画面右にあるので、そこに違和感を覚える方はいるかもしれませんが、その他は恐らくすんなりと使えるのではないでしょうか。

Windows/Macの両OSにも対応しており、プラットフォームを気にする必要もありません。

またアプリケーションとしても非常に軽く作られており、「新しいDAWは重くなりそうで・・・」という方にもおすすめできます。

さて、ここからは中身を見ていきましょう。


【 Melodyne 】

ver.2から新しく搭載された目玉機能の一つとして、Melodyneの搭載があげられます。

言わずと知れたピッチ補正プラグインであり、その種のプラグインのパイオニアとも言える存在です。

プラグイン単体でお持ちの方には意味がない・・・とは言わせません。

Melodyneは各種DAWとの連携が非常に面倒なプラグインでした。

※トラックにロード→オーディオ解析→Melodyne内で作業といった流れ

これがS1そのものに統合されたことにより、プラグインのインサートもオーディオの解析も必要なくなりました。

更にS1そのもののショートカットも利用できるので、作業効率も大幅にアップ。

もちろん、Melodyneのほかにも様々なピッチ補正プラグインはありますが、フォルマントを出来るだけ変えずに補正をしたいと言った場合はMelodyne以外の選択肢はなくなるでしょう。

フォルマントの変化が少ないということは、メジャーからマイナーへアレンジメント等も容易にできてしまうということ。(音源からMIDIの情報も抜き出せるので、他の音源に挿しかえることも可能です)

しかしながら・・・ドラムなどの打楽器の解析は難しいようで、特にリバーブが強く出ている音に対しての精度はあまり高くありません。

そんな短所を補ってもあまりあるほどの魅力は持ち合わせていると思いますが。



【Track List】

全てのトラックを分類ごとに表示をしてくれる機能です。

オーディオ/インストゥルメント/オートメーションなどといった感じで各分類ごとに表示をさせることができます。

これによりひとつのピアノロールで複数のMIDIトラックを同時に扱うことができたり、トラックごとのプラグインの管理などが非常に楽になったりと作業効率が大幅にアップすることでしょう。

やはりこのTrack Listにも難点はあります。表示のフォントが非常に小さい!見づらい!色分けもわかりづらい!

どんな機能にも言えることですが、もう少しユーザーがカスタマイズできる部分を多くしてくれると助かりますね。

現状では「うまく利用できた人の勝ち」という感じがします。


【本質】

上記二つはあくまでも付加機能にすぎません。

S1の本質はそのトータルでの完成度の高さとアプリケーションそのものの軽さ、更にはその使い勝手と音質の良さにあります。

競合主要DAWから乗り換えたかたはマニュアルもあまり見なくてすむんじゃないでしょうか?

基本的には全てがひとつの画面で完結できるようになっているので、作業をシームレスに行うことができます。

安定性も抜群で、ここ1ヶ月程度毎日のように使ってきましたがDAWが落ちてしまうことは皆無でした。

絶対に落ちないということはないでしょうが、安定していることは間違いないと思います。

スコアエディタが搭載されていなかったり、サラウンドシステムへの未対応など、他社のDAWにあってS1にない機能はありますが、開発チームの方の言葉を引用しますと・・・

「『Studio One』がサラウンド対応となる必要性があったら、とうの昔にそうしていたはずだ。なぜならこのソフトの開発チームは以前 Steinberg で『Nuendo』に携わっていたのだから。しかし『Studio One』は音楽制作用のシーケンサであって、放送用でもオーディオビジュアル用でもないのだ。」

とのことです。

つまり、「うちはうちの畑でプライドを持って仕事してんだ。他のことは他のやつがやればいい」という感じでしょうかw


こんなところで、S1のざっくりとしたレビューは終わりです。

次は何を書こうかな。

リクエストなどがあればコメを残してくださいね。


注)Melodyneが搭載されているのは最上位のProfessionalのみです



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